たそがれ日記

人生の黄昏時の独り言

沈没するパチンコ業界について

私が40年以上関わってきたパチンコ業界の衰退について、その原因と考えられるものをまとめてみました。

 

パチンコ業界の衰退の原因とは?

 

パチンコはかつて日本の代表的な娯楽の一つでしたが、近年はその人気に陰りが見えています。パチンコ業界の市場規模は、1990年代に約30兆円だったのが、2018年には約20兆円まで減少しました。また、パチンコホール数も約1万8000店だった1995年以降、減少傾向が止まらず、2018年には1万店を割り込み2023年現在では8000店程度と思われます。

 

では、なぜパチンコ業界は衰退しているのでしょうか?その原因として考えられるものを、以下に挙げてみます。

 

1. 遊技台に対する規制の強化

 

パチンコ業界が衰退した最大の理由は、遊技台に対する度重なる規制です。特に、単位時間あたりの出玉数を大幅に減らすように求められた規制は、パチンコの魅力を損ないました。この規制では、「大当たり出玉数の上限を、以前よりも大幅に少なくする」「4時間で得られる出玉は、5万円以下」という内容が定められました。これにより、パチンコで大きく勝つことが難しくなり、打ち手の射幸心や満足感が低下しました。

 

また、確変継続率やイベント、等価交換や広告・宣伝などに関しても、厳しい規制がかけられました。これらの規制は、パチンコのギャンブル性を低下させて健全化させる目的で行われましたが、逆に打ち手の興味やモチベーションを奪ってしまったと言えます。

 

2. 娯楽の多様化

 

パチンコ業界が衰退したもう一つの理由は、娯楽の多様化です。スマートフォンタブレットPCを使ったネット関連の娯楽が充実し、それに消費者達を取られてしまいました。例えば、ソーシャルゲームや映像作品系のサブスクリプションサービスなどは、パチンコと同じくらい運要素や映像演出が重要な娯楽であり、客層が被っています。これらの娯楽は自宅で手軽に楽しめる上に、費用も安く済むため、パチンコよりも魅力的に感じる消費者が多くなっています。

 

また、オンライン式で手軽に賭けることができる公営ギャンブル競艇・競馬・競輪など)も、パチンコ業界にとって強力なライバルです。これらは公営ギャンブルであり、国にとっては貴重な税収入源であるため、パチンコほどは規制が強くないため、消費者達にとっても「規制が緩くて、勝ちやすく儲けやすい」と好まれやすくなります。

 

3. コロナ禍の影響

 

パチンコ業界が衰退したもう一つの理由は、コロナ禍の影響です。新型コロナウイルスの感染拡大にともなう社会での様々な混乱は、パチンコ業界にも大きな打撃を与えました。パチンコ店は感染リスクがかなり高くて危険な場所であると、多くの人達に認識されるようになりました。密閉・密集・密接の3密が避けられない環境であり、換気や消毒が不十分であることも多いからです。(もちろん、店内換気の設備に充分なお金をかけた店舗もみられます。)また、緊急事態宣言や自粛要請などの政府や自治体の対策により、パチンコ店は営業時間を短縮したり、休業したりすることもありました。これらのことで、パチンコ店に足を運ぶ消費者が大幅に減少しました。

 

まとめ

 

かつて隆盛を誇ったパチンコ業界は、規制や娯楽の多様化、コロナ禍などの影響で、かつての勢いを失っています。今後もパチンコ業界がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいと思います。